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第38回文化資源学会の特別研究会へ参加します

【お知らせ】 ありがたいことに、10月8日(土)の第38回文化資源学会の特別研究会で、町村悠香さんとトークすることになりました。 トークテーマは「文化資源としての児童画に出会ってー「日独伊親善図画」・「想画」・「教育版画」」です。 町村さんは、町田市立国際版画美術館で今年行われた「彫刻刀が刻む戦後日本 2つの民衆版画運動」展を企画され、活躍されています。私も尊敬する方です。 私は、「日独伊親善図画との出会いから始まった児童画のキュレーション活動について」というタイトルでお話しします。 先月に開催しました山形県東根市の想画の展覧会のこともからめて、話をする予定です。 会員限定とのことですが、関係者の皆様どうぞよろしくお願いします。 https://bunkashigen.jp/sympo/sympo02.html -------- 特別研究会 15:00-16:40 文化資源としての児童画に出会ってー「日独伊親善図画」・「想画」・「教育版画」 発表者|田中直子(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科 博士後期課程) 「日独伊親善図画との出会いから始まった児童画のキュレーション活動について」(30分) 発表者|町村悠香(町田市立国際版画美術館 学芸員) 「教育版画運動の忘却と作品保存の意義・課題ー「彫刻刀が刻む戦後日本 2つの民衆版画運動」展の調査から」(30分) ディスカッション/質疑応答、参加者からの保存・活用のアイディア募集 進行:松田陽(30分)  子どもの頃に学校で受けた図工や美術の時間の思い出はありますか? 楽しかった人、苦手だった人、なんとなくやっていた人。さまざまな思い出があると思いますが、授業で教わった活動の歴史的背景を意識したり、学校で作った作品を大切に残したりしている人はあまり多くないでしょう。今回の特別研究会では、そうした児童画をめぐる文化資源の諸相がテーマです。  田中直子は日独伊の枢軸国による児童画を通した交流のコンクール「日独伊親善図画」(1938年)の研究、展示活動を行なっています。今年「ドイツから帰ってきた80年前の児童画と想画展2022」展(山形県東根市 東の杜ホール・伝承館、2022年7月30日〜8月15日)の開催に協力しました。日独伊親善図画の応募作には、東根市の子どもが作った作品もあったことから実現した展覧会です。また、タイトルにある「想画」は、昭和初期に東根市長瀞小学校で行われた教育実践から生まれた、子どもが主体的に日常生活を描いた作品で、東根市有形文化財に指定され、児童画としては珍しく保存の対象となっています  町村悠香は今年「彫刻刀が刻む戦後日本 2つの民衆版画運動」展(町田市立国際版画美術館、2022年4月23日〜7月3日)を企画。本展は中国木刻のインパクトから始まった「戦後版画運動」と、そこから派生した「教育版画運動」という2つの民衆版画運動を連続的な動きとして捉える初めての展覧会でした。後者の教育版画運動(1951~1990年代後半)は「生活綴り方」と密接な関係があり、「生活を見つめて表現することで、社会や現実を認識する力を鍛える」というリアリズム に拠って立つ教育実践でした。作品は各地の学校や教育委員会、指導した教師の家に眠っていますが、歴史的価値が認められる途上にあり、学校の建て替えなどの機会に失われることも少なくありません。  両者の調査研究・実践を通してみえてくるのは、時代を写してきた児童画は政治的な文脈と無縁ではなく、時代によってさまざまな評価にさらされてきたということです。発表を通してこうした経緯を共有し、今後の保存や活用の可能性を参加者とともに考える機会といたします。



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